森崎日記

読書メーターから来ました

廣野由美子 批評理論入門 『フランケンシュタイン』解剖講義 (中公新書) 感想及びまとめ

放送大学で文学批評の授業を取ったものの、テキストが難解だったので、もう少し易しい所から始めたいと思ってこの本を読んだ。 分析する対象の作品を「フランケンシュタイン」の一つに絞って、「小説技法」と「批評理論」という二つの視点から作品を読解して…

「仏教3.0」とは何なのか 藤田一照、山下良道「アップデートする仏教 (幻冬舎新書)」  感想及びまとめ

「葬式仏教」という言葉が存在しているように、現代の日本仏教は外見だけを残して形骸化していると言っても過言ではない。「心の病院」であったはずの仏教は現在、心の苦しみを解決する具体的で有効な手段を殆ど説くことはない。この現代の日本仏教を「仏教1…

高史明「生きることの意味」 感想及びまとめ

nhkの「こころの時代」で高史明(コ・サミュン)氏が喋っている映像を見て、興味を持ったので読んだ。 在日朝鮮人二世として戦時下の日本に生まれた高史明氏による幼少期の自伝。 差別、極貧生活、劣悪な環境による弟との死別、父親の自殺未遂など、悲惨な出…

放送大学 データサイエンス・リテラシ基礎(‘22) 6-2 単元B1、6-3 単元B2 ファッション業界で活用されるデータサイエンス まとめ

放送大学オンライン授業データサイエンス・リテラシ基礎(‘22) 6-2 単元B1、6-3 単元B2内で行われていた、ファッション業界で活用されるデータサイエンスの話がかなり面白かったので自分用にまとめてみます。 ・6-2 単元B1 エマ理永先生が過去に東京コレクシ…

「心」から自分の癒し方を考える 五木寛之「人生のレシピ 疲れた心の癒し方 (教養・文化シリーズ) 」 感想及びまとめ

概要 五木寛之独自の心の休め方である ・「妄想(これまでの人生で蓄えてきた経験を、自分の想像力で自由に膨らませて楽し むこと)」 ・「思想(生きるとは、死ぬとは、といったテーマをじっくり掘り下げること)」 ・「回想(これまでの人生を振り返ってみ…

日記:放送大学に入学した。無職を卒業した。

放送大学に入学しました。 この大学を卒業した後に私がどうなるのかは全くわからないのですが、これにより長かった無職期間が終了しました。 放送大学を卒業した後にちゃんと手に職をつけられるように、自分が何をすれば良いのかを見極め、それを実行に移し…

円覚寺管長が描いた仏教絵本 横田南嶺(著)横山由馨(イラスト)「パンダはどこにいる?」 感想

臨済宗の円覚寺派総長が描いた絵本。 仏教では仏になる事を理想とする。仏の心とは慈しみや思いやりの心である。 禅の教えでは、人は皆元々仏であると説いている。ところが、人間は自分にではなく外側に向かって仏を求めてしまう。 この絵本の中で、パンダが…

芸術作品へはどのように向き合えばよいのか 椹木野衣「感性は感動しないー美術の見方、批評の作法 (教養みらい選書)」 感想及びまとめ

・感性とはなにか 岡本太郎は感性について次のように言っている。 「感性をみがくという言葉はおかしいと思うんだ。感性というのは、誰にでも、瞬間にわき起こるものだ。感性だけ鋭くして、みがきたいと思ってもだめだね。自分自身をいろいろな条件にぶつけ…

大学に行くということ,働くということ (岩波高校生セミナー 10) 感想

「会社が身を削って教育投資した新入社員が外資に引き抜かれてしまう」 「ダラダラと業務をこなす人間の方が得をしてしまう」 などの日本型雇用の問題点や、そもそも最初から終身雇用制は国民全員に適用されていたものではない事を指摘しながら、今後は日本…

石ノ森章太郎のマンガ家入門 (秋田文庫) 感想

漫画における各コマや展開の解説が、一作まるごとで行われているので漫画読解に滅茶苦茶役立つ。 あとがきの所で、漫画を描くという行為は趣味としては最高だが、漫画家になってしまったら、売れたとしても売れなかったとしても、良い事は何も無いから漫画家…

今日はまだフツーになれない (百合姫コミックス) 感想

普通とは違う生き方をする高橋と山下が、自分と社会のズレに直面する度にお互いがお互いの大切さに気づいていく姿が素晴らし過ぎました。 個人的には高校の同窓会で覚えた疎外感を高橋が山下に話す回が、山下の高橋への強い気持ちや二人で社会から外れた人生…

凡事徹底が大事 スコット・H・ヤング「ULTRA LEARNING 超・自習法 どんなスキルでも最速で習得できる9つのメソッド」 感想及びまとめ

ウルトララーニングとは、集中的な学習を行って学習法を洗練させていく事である。 ・1、取り組む要素の分解 ・2、トライアンドエラーを繰り返すこと の2つが、この学習を実践するにおいて特に重要になる。 ウルトララーニングの条件は他にも、 ・3、集中して…

天雷様と人間のへそ―平庫ワカ初期作品集― (BRIDGE COMICS)

すげー表現力。言っている事も良いし最高だ。人間は生きる事に執着し過ぎるから死にたくなるのだ、考え過ぎなのだ。苦しいが、生きねば。 天雷様と人間のへそ―平庫ワカ初期作品集― (BRIDGE COMICS) 作者:平庫 ワカ KADOKAWA Amazon

マイ・ブロークン・マリコ (BRIDGE COMICS) 感想

疾走感と全てのコマに意味がある感じが凄かった。 マイ・ブロークン・マリコ (BRIDGE COMICS) 作者:平庫 ワカ KADOKAWA Amazon

はやて×ブレード 1 (ヤングジャンプコミックス)

はやて×ブレードは努力する描写が多い割に作品における強さの序列が変わる事は最初から最後まで殆ど無いんだけど、どのキャラクターも活き活きと毎日を送っており、多分人生において本当に大事な事が描いてある。 はやて×ブレード 1 (ヤングジャンプコミック…

人間としての成長―東洋の古典から何をいかに学ぶか (PHP文庫)

心と体は繋がっているわけだから、身体は勿論のこと、心の養生も忘れずに。寝る前に詩を読んだりするっていうのは確かに良さそう。 安岡 正篤の講演会には岡潔も来ていたらしい。 人間としての成長 東洋の古典から何をいかに学ぶか PHP文庫 作者:安岡 正篤 P…

復職後再発率ゼロの心療内科の先生に「薬に頼らず、うつを治す方法」を聞いてみました 感想

夜になったらオレンジサングラスをつけるのがいいらしい。 復職後再発率ゼロの心療内科の先生に「薬に頼らず、うつを治す方法」を聞いてみました 作者:亀廣 聡,夏川 立也 日本実業出版社 Amazon

ヤンキー化する日本 (角川oneテーマ21) 感想

P.175~ 山本七平と丸山眞男で共通するのが、日本人の思考法における歴史意識の欠如だった。山本風にいえば日本にはキリスト教のような終末論がない。丸山流にいえば日本人は世の中を「勢い」としてしか把握しないから、自分の行為を遠い将来の視点から振り返…

Roid-ロイド-1 (百合姫コミックス) 感想

人間の自我がコピーされたアンドロイドが、人間とAIとの間で揺れるアイデンティティに苦悩したり、オリジナルに嫉妬したりされたりする、というのがとても良かった。 Roid-ロイド-: 1 (百合姫コミックス) 作者:しろし 一迅社 Amazon

すべての疲労は脳が原因 1 (集英社新書) 感想

寝る時間の近くでご飯を食べるのはよくない。鶏胸肉を100g食べると、抗疲労効果のあるイミダペプチドを効果的に摂取できる。 休日は温泉に行ったりするよりも、身近な自然に触れたりしながらゆっくりと過ごそう。その時には、ダラダラとネットしないように注…

いつも「時間がない」あなたに (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

不安や焦り、欠乏感などの感情が人間の処理能力や認知能力を大幅に低下させる。「ゆとり」と思えるような時間も必要な存在である。 いつも「時間がない」あなたに (ハヤカワ・ノンフィクション文庫) 作者:ムッライナタン,センディル,シャフィール,エルダー …

脳を鍛えるには運動しかない! 最新科学でわかった脳細胞の増やし方 感想

週4~5位で、三十分の有酸素運動を行いましょう。ADHDの人は特に。 脳を鍛えるには運動しかない! 最新科学でわかった脳細胞の増やし方 作者:レイティ,ジョン J.,ヘイガーマン,エリック NHK出版 Amazon

ブッダの幸福論 (ちくまプリマー新書) 感想

食欲はある程度言う事を聞かないと死んでしまうが、性欲は言う事を聞かなくても死なない。 ブッダの幸福論 (ちくまプリマー新書) 作者:アルボムッレ・スマナサーラ 筑摩書房 Amazon

ストレス脳(新潮新書) 感想

運動する、人と関わる、ネットから離れる、よく寝る。 運動しろ! ストレス脳(新潮新書) 作者:アンデシュ・ハンセン 新潮社 Amazon

どうすれば音楽を語れるようになるのか 音楽の聴き方―聴く型と趣味を語る言葉 (中公新書) 感想及びまとめ

・音楽と言語 P87「音楽は決して単なるサウンドではなく、言葉と同じように文節構造や文法のロジックや意味内容を持った一つの言葉でもある。」 P98「言葉と音楽の文節規則(リズム)は深く関連し合っていて、背景になっている言語を知らないと音楽もまたよく…

お姫様のお姫様 1  感想

漫画全体のテンポが小気味良く、ギャグや小ネタの挟み方が秀逸で滅茶苦茶面白い。 絵が滅茶苦茶上手いんだけど、癖の強い絵柄をしていて、それがこの作品の中毒性に繋がっている。ギャグ漫画の面白さと作品の絵柄ってかなり強く結びついているんだなと感じた…

Candy boy 2 (MFコミックス フラッパーシリーズ) 感想

奏の視点をより深く掘り下げた心理描写や、サイドストーリー編での咲夜が主役の話など、本編でやるべきだったけどやれなかった事をやり切っていて凄い。本編も含めCandy☆boyは、日常描写の質感だけで最後まで走り切っているのが凄まじい。 コミックに続いて…

ぼくらの中の「トラウマ」 (ちくまプリマー新書) 感想

P.103〜 トラウマは話しても話さなくてもいい。誰に話していいかわからない場合は、守秘義務を持っている専門家の人達に話そう。 大事なことは、「自分を責めない」、「回復の過程は螺旋状」、「人(社会)との新しい関わりを作る」、「リラックスしている時…

ラップしてる時の声色 ジブラの日本語ラップメソッド 感想

P.80~ 「尾崎豊さんが「声なんて自分のイメージしている通りになんとでも変わるよ」と言っていて、実際に自分もそう思ってやってたらその通りになった」みたいな事が書かれており、本当か?と思った。 しかし、ritto氏やanpyo氏やneetz(kandytown)氏など、…

はやて×ブレード 18 (ヤングジャンプコミックス) 感想

はやて×ブレードの凄さは、仮にこのコンビが他の百合作品に存在していたら、作品内で一番人気のカップリング(ストライクウィッチーズにおけるエイラーニャのような存在)になれていそうだなと思うようなコンビがゴロゴロ存在しているところにある。 しかし…