森崎日記

読書メーターから来ました

仏教・宗教

「仏教3.0」とは何なのか 藤田一照、山下良道「アップデートする仏教 (幻冬舎新書)」  感想及びまとめ

「葬式仏教」という言葉が存在しているように、現代の日本仏教は外見だけを残して形骸化していると言っても過言ではない。「心の病院」であったはずの仏教は現在、心の苦しみを解決する具体的で有効な手段を殆ど説くことはない。この現代の日本仏教を「仏教1…

高史明「生きることの意味」 感想及びまとめ

nhkの「こころの時代」で高史明(コ・サミュン)氏が喋っている映像を見て、興味を持ったので読んだ。 在日朝鮮人二世として戦時下の日本に生まれた高史明氏による幼少期の自伝。 差別、極貧生活、劣悪な環境による弟との死別、父親の自殺未遂など、悲惨な出…

「心」から自分の癒し方を考える 五木寛之「人生のレシピ 疲れた心の癒し方 (教養・文化シリーズ) 」 感想及びまとめ

概要 五木寛之独自の心の休め方である ・「妄想(これまでの人生で蓄えてきた経験を、自分の想像力で自由に膨らませて楽し むこと)」 ・「思想(生きるとは、死ぬとは、といったテーマをじっくり掘り下げること)」 ・「回想(これまでの人生を振り返ってみ…

円覚寺管長が描いた仏教絵本 横田南嶺(著)横山由馨(イラスト)「パンダはどこにいる?」 感想

臨済宗の円覚寺派総長が描いた絵本。 仏教では仏になる事を理想とする。仏の心とは慈しみや思いやりの心である。 禅の教えでは、人は皆元々仏であると説いている。ところが、人間は自分にではなく外側に向かって仏を求めてしまう。 この絵本の中で、パンダが…

ブッダの幸福論 (ちくまプリマー新書) 感想

食欲はある程度言う事を聞かないと死んでしまうが、性欲は言う事を聞かなくても死なない。 ブッダの幸福論 (ちくまプリマー新書) 作者:アルボムッレ・スマナサーラ 筑摩書房 Amazon

なぜ今、仏教なのか――瞑想・マインドフルネス・悟りの科学 感想

マインドフルネス(宗教性を排した瞑想)の熟練者が、鍛錬により自分の感情をある程度コントロールできるようになった結果、自分の中の罪悪感を排除して法的にアウトな行為を行ったという事例を挙げて、マインドフルネスを行うだけでは人として不十分で、そ…

偉人達の規格外な努力(仏教の話題多め) 斎藤兆史「努力論 決定版 (中公文庫)」 感想及びまとめ

・概要 日本の偉人達の規格外な努力エピソードを紐解きながら、努力ができるようになるにはどうすれば良いのか、努力するとはどういう事なのかを論じた本。 ・努力するとはどういう事なのか 努力していると自分では思っていても、実際は努力していない事が殆…

NHK「100分de名著」ブックス 般若心経 感想及びまとめ

般若心経の意義 般若心経の考え 般若心経の意義 日本が大乗仏教を信奉する国であり、その文化が大乗仏教の思想に根ざしているという事実を鑑みれば、大乗仏教の起源を解明するということは、日本文化の成り立ちを探ることにもなる。 こういった厚みのある文…

「生活保護特区を出よ。 2 」感想

神の存在を信じられなくなった時代でも、宗教の創設者の思いや、教義の内容に想いを馳せることで、信仰を持つ事が出来る。現代の仏教徒達もまた、極楽浄土や阿弥陀如来の存在を心から信じられなくても、南無阿弥陀仏と唱え続け、自分の運命に絶対服従するの…

「生活保護特区を出よ。 1」感想

一歩間違えば露悪的になりかねないテーマや設定を、そうならないように誠実に描いていて好感が持てた。 生活保護特区を出よ。 (1) (トーチコミックス) 作者:まどめクレテック リイド社 Amazon

佐々木 閑『NHK「100分de名著」ブックス ブッダ 真理のことば』の感想及びまとめ

「空」という概念における上座部仏教と大乗仏教の違い 「空」という概念における上座部仏教と大乗仏教の違い 要約 「真理の言葉(ダンマパダ)」とは何か 四諦とは何か 八正道とは何か 執着とは何か 「諸行無常」「諸法無我」とは何か 「一切皆苦」「諸行無…