森崎日記

読書メーターから来ました

サイバー・エフェクト 子どもがネットに壊される 感想

国や個人がインターネットへどのように向き合っていくべきなのか考えさせられた。インターネットにより子供が不幸な目に遭うエピソードが続き、ほとんどは最終的に子供が死ぬという内容だったので読んでいて気が滅入った。

 

人間は探索をすることで進化をすることができた上に探索は子供の発育上欠かせない行為だが、探索にはリスクが伴ってしまう。インターネットによって発生するリスクは間違った事をしてしまったとしても行動に見合っていない事が多い。

 

特にその行為をやった結果何が起こるのかを想像する力が育ち切っていないティーンエイジャーの為にプールにおける子供用の水深が浅い区域をインターネットでも作るべきだという話には非常に納得し、子供の人権が中心となって考えられたインターネットの法整備と制度設計の必要性を感じました。(勿論、ティーンエイジャーという枠組みから外れた人はインターネットにより行動に見合わないリスクが伴っても当然だという話ではないですし、大人も含めた個人が守られるインターネットの制度設計が必要だと思います。)

 

ADHDとインターネットの関係については、「アイパッドやアイフォンなどのデジタル画面が米国市場で飽和し始めるなかADHDと診断される子供の数が増えている。」や「女子の場合はうつ病や社交不安障害と診断された子が、男子の場合はADHDや敵意に関する障害があると診断された子がインターネット依存になりやすい。」というデータはあるそうなのですが、いずれもまだ因果関係がわかっていないみたいなので何とも言えないなと思いました。